2008.2.4
岡本 博教授が平成19年度第24回井上学術賞を受賞されました
井上学術賞は、自然科学の基礎的研究で特に顕著な業績を挙げた50歳未満の研究者に対し与えられる賞であり、これまで、多くの著名な研究者が受賞されています。このたび、平成19年度第24回井上学術賞を、本研究室の岡本
博教授が受賞されました。受賞の対象となりました研究内容は、「強相関電子系における非形光学応答と光誘起相転移に関する研究」というものです。
銅酸化物の高温超伝導の発見を契機として、強相関電子系の伝導性や磁性の研究がこれまで盛んに行われてきました。一方その光機能性に関する研究はほとんど行われていませんでした。岡本教授は、強い電子相関と超短パルス光励起が相まって出現する強相関電子系の光応答の重要性にいち早く注目し、これまで精力的な研究を行ってきました。そして、様々な強相関電子系を有する遷移金属化合物や有機物質において、巨大な三次非線形光学効果と超高速光誘起相転移現象を見出しました。これらの現象は、将来の光通信に必要な全光型スイッチングや光記憶素子の動作原理としても期待されています。強相関電子系の光応答は、現在は一つの研究分野に成長していますが、岡本教授は、対象物質の発掘、最先端分光手法の適用、新現象の発見と機構解明を通して、この分野の創出と発展を先導してきました。そのことが、今回の受賞につながりました。
2008年2月4日に開催された表彰式
詳細な受賞内容については、こちらをご覧ください
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